中途採用での就職方法をご紹介します。
大卒後のフリーターは第二新卒なのか?
大学卒業後にフリーターをしていた場合、既卒と呼ばれる枠組みになります。
転職市場における既卒という言葉は、学校を卒業したけれども就職していない人を意味します。同じく第二新卒とは、一般的に学校を卒業した後、数年内に離職し転職活動を行う若手求職者を指します。
ですが、卒業後1~3年程度の求職者に対して第二新卒と呼ぶことが多いです。20代前半の人材を積極的に企業が採用したいときに用いられ、定義はあいまいです。
大学卒業後フリーターをしていた場合でも卒業後3年以内であれば第二新卒の採用枠として入社試験を受けることも可能な場合があります。“新卒、第二新卒歓迎!”と書いてあるから、該当していないと諦めるのはやめましょう。
新卒と中途採用に求められる人材の違いは?
新卒社員であれば真っ新なので一から会社の考えを教えることができます。よって、教育にコストをかけ、会社に貢献できるような能力・技術を身に着けるよう時間をかけて育成していくのです。そのため、退職者が出ず、新卒が順調に能力をつけていけば中途採用をする必要はありません。
しかし、年度内に中堅・ベテラン層が退職した場合や事業拡大で能力のある人材が必要になった場合には新入社員では仕事の量、質を補いきれません。そこで中途採用を年度途中に行い即戦力を求めます。
企業は中途採用で新卒社員のように教育コストがかからない。かつ優秀な人材を採用したいと考えています。
新卒採用 | 中途採用 | |
求められる人材 | ・今後成長し、会社に貢献できる ・マッチングしていて長く勤められる |
・仕事の実績やスキルを持っている ・ビジネスマナーは身についている ・即戦力として活躍できる |
目的 | ・将来、活躍できる人材確保 ・労働力の確保 |
・退職者などの欠員の補充 ・事業拡大などによる増員 ・知識や技術の導入 |
時期 | 4月入社 | 不定期 |
これらを見ているとフリーターでも中途社員として求められるのは“即戦力”です。なので、フリーター時代どのように過ごしていたかが大切になります。
別の視点から違いを解説→新卒採用と中途採用の違いって何?失敗しない就活をするために確認しておくべきこと。
中途採用に向けての準備
一般的な中途採用の流れをご紹介します。
- 企業を選ぶ
- 書類選考
- 面接・筆記先行
- 内定通知
- 入社の意思確認
- 入社
企業選び
企業選びをする前に自分が企業にこだわることを整理しておく必要があります。
職種、就業時間、休日日数、通勤時間だけではなく、自分の働き方(キャリア)についても明確にしておきましょう。
専門性を活かしたい
人間関係のよい職場で働きたい
上司や先輩にしっかり指導をしてほしい
若いうちから責任のある仕事をしたい
残業、休日出勤はしたくない
将来は起業したい
女性であればライフスタイルの変化の際にどうしていくかもきちんと考えておきましょう。仕事を続けていきたいのであれば産休・育休の実績があり、時間短縮勤務などの実例があるかなどにもこだわる必要があります。
あとは、良いところがあればすぐに試験を受けても大丈夫なように準備を行う必要があります。
準備しておくもの一覧
自己分析(長所・短所・短所の改善について・フリーター代の実績・スキルなど)
他己分析(他人から見た自分に対する評価を聞く)
簡単な自己PR(企業を選んだら、企業に合わせてカスタマイズしましょう)
職務経歴書
履歴書(原本を作っておくことで、必要になったらすぐに清書していきます)
これらは面接日前に慌てて作ると失敗する可能性があります。自己分析が苦手な人は他己分析がおすすめです。
企業を選んだあとは、企業研究をしましょう。企業が求めている人材を知ることが、書類選考と面接を制するポイントとなります。
中途採用の書類選考
中途採用の場合「どのような実務経験を持っているか。スキルや資格はどうか」が審査の対象になります。また、志望動機や自己PRが会社の採用したい人材、会社の方向性とマッチングしているかが見られます。
相手は面接のプロなので、何人もの採用を手掛けています。ネットからの丸写しや履歴書等の使いまわしはNGです。ネットはあくまで参考程度にとどめ、自分で考えた、その会社だけの志望理由や自己PRにしましょう。
自分の過去に経験した出来事や出会いなどを具体的に盛り込み、その会社を選んだ理由につなげましょう。
20代の中途採用のポイントは”熱意”です。
また、職務経歴書などをパソコンで作成する場合、基本的なパソコンの能力があるか、入社後の報告書がそのような状態になるかなどを観察されます。
手書きである場合には字のうまい下手ではなく、丁寧に書かれているか、誤字脱字はないかを注意しましょう。
中途採用の面接
中途採用の面接では、人柄だけでなく必要な経験やスキルがあるかどうかの確認が主体となります。その他には、志望動機、会社に対する興味の度合い、入社後の目標を聞かれ、面接官が会社とマッチングできる人材なのかを見極めます。
中途採用である場合、ビジネスマナーは身について当然のものと面接官は考えています。面接時は当然ですが、自宅を出発してから帰宅するまでずっと見られていると考え言動を慎みましょう。
6入社について
晴れて合格しても入社書類を完了させ入社式を迎えるまではまだ気を引き締めている必要があります。
なぜなら、入社書類は締め切りのあるものが多く、日程がタイトであることが多いからです。さらに入社前に健康診断が受診する場合、検査に予約が必要だったり、検査結果が1~2週間程度時間がかかることもあります。年金手帳や源泉徴収票なども大事に保管されていればよいが、紛失していると再発行が必要になります。そこでも1~2週間は必要になることもあり、入社書類が届いたら早め早めに行動しておきたいですね。
中途採用の情報の集め方
20代が活用する中途採用の情報の集め方でおすすめしているのは人材紹介会社を利用することをおすすめしています。
人材紹介会社では、既卒・第二新卒を対象にした就職・転職に特化しており、求人情報以外に就職ノウハウを教えてくれたり、専属のキャリアコンサルタントが時間をかけて相談に乗ってくれるからです。
さらに、中途採用で多いトラブルに対しても調整してくれるからです。
中途採用の内定後トラブル
中途採用の内定で多いトラブルは6つあります。
- 内定先からの入社時期延期
- 自分が入社日を延期したい
- 就業規則などの説明がない
- 内定承諾後、入社を辞退したい
- 前職の有給消化中でも働けますか?
- 書類が期日に間に合わなかった
それぞれ、対処方法、注意点なども踏まえて紹介していきます。
内定先からの入社時期延期
通常だとありえませんが、入社時期が延期になったとしても時期が明確であれば問題はありません。ただし、それが内定取り消しに発展する場合は企業から一方的に取り消すことはできません。どうしても気になる人は問い合わせてみるとよいでしょう。
自分が入社日を延期したい
正直に入社先の企業へ変更をお願いしてみることが妥当です。
「いつならよいのか。どうしてなのか。」をしっかり説明する必要があります。やむを得ない場合の連絡も自分でしなければなりません。
人材紹介会社を経由している場合は、キャリアコンサルタントから調整のお願いをしてもらえます。
就業規則などの説明がない
きちんと説明してくれる企業もあれば、説明がない企業もあります。
入社してから、「こんなはずじゃなかった。」と正社員になれた喜びから、ブラック企業に入社した絶望を感じる人も実際にいらっしゃいます。
面接時では、待遇面などは「この質問をしたら落とされるのではないか?」と聞きにくいものです。こうした聞きにくい質問もキャリアコンサルタントから質問をしてもらえるため、監査が入っている状態になります。
本音で就職活動ができるわけです。
内定承諾後、入社を辞退したい
雇用期間に定めのない雇用契約の場合、退職を申し出て2週間後に退職することが可能です。この場合、入社日の2週間前には辞退を申し出る必要があります。
場合によっては損害賠償を求められます。
しかし、中途採用では採用から働くまでの期間が短く2ヶ月以内で就業が開始されます。
中途採用の内定承諾に関しては注意が必要です。
前職の有給消化中でも働けますか?
有給消化中は、在職期間としてみなされるため退職していることにはなりません。二重に企業に属することになるため有給消化中に働き始めることは難しいでしょう。なので、有給消化をしてから入社したいのであれば入社日から逆算して有給に入るようにしましょう。
書類が期日に間に合わなかった
社会人として、提出期限を守ることは大切です。しかし、中途採用だとスケジュールがタイトなこともあり…入社書類が期日までに間に合わなかったということもあります。よく間に合わなくなりがちなのが健康診断の結果・年金手帳・源泉徴収票などの発行までに期日がかかるものです。(年金手帳や源泉徴収票は紛失していなければ問題ないです)
万が一間に合わないことが発覚したら、発覚した段階ですぐに連絡を入れましょう。いつまでに提出できるのか?期日までに提出できない理由を伝えた上で丁寧に謝罪しましょう。