内閣府自殺対策推進室のデータによると就活を失敗したことを理由に自殺をする人が年間で30人近くいるそうです。
のんびり生きてきたぼくにとっては信じがたい話ですが、単純に就職失敗だけで悩むのではなく家族の叱咤やうつ病などの精神疾患など、複合的な事柄が原因となっているようです。
学生時代の転機といえば、高校受験、大学受験、就職ではないでしょうか。
特に就職は3年間の高校生活、4年間の大学生活とは異なり「正社員になって定年まで働く」とこれから40年近く働くことを想定した一大イベントですよね。
「就職失敗=人生終了」という構図もわからなくはないですね。ぼくも就職失敗した当時は、少なからず周りと比べて劣等感を感じていましたから。
しかし、今振り返ってみるとそこまで悩むことではないなーと感じています。就活の失敗なんて普通になりつつあるし、これから先のことを考えると思ったよりも明るい未来があるんじゃない?って話です。
就活を失敗する人は毎年6万人以上いる
就活に失敗して既卒・フリーター・ニートになった方に見て欲しいのですが…
就活を失敗する人は毎年15%前後はいます。
ぼくが就活をしていた時代では8.7万人も仲間がいるわけで…別に珍しいことではないんですよね。アベノミクスで景気回復の先行きが明るく感じた2014年(日経平均株価は18000円台まで上昇)も6.8万人正社員になれていません。
リーマンショクや就職氷河期など、外部要因があってもなくても就職に失敗する人はいるってことです。もはや、個人の問題ではなく社会の問題ですよね。
就活に失敗する理由は?
就職に失敗する(受からない人)の理由は、テクニック面とパーソナル面に分けて考えられます。
テクニック面
- 選考試験(書類、面接、筆記試験)のやり方や内容
- 就活の出遅れ
- 業界研究
就活のやり方になるのでしょうが、一定の方法やテクニックはあります。履歴書でもただ書けばいいわけでなく求める人材像に寄せないといけなかったり、売り込んでいく必要があります。
かといって、教科書通りでも受かりません。
パーソナル面
- スケジュール管理
- 本気になれない
- 業種・企業を選びすぎる
業種であれば事務職が人気です。中小企業でも事務職があれば1人の採用枠に100人以上が応募する人気っぷり。営業職・販売職にはつきたくない人が狙っていくように感じます。
企業の大きさも同様です。
「大企業じゃないと就職しない!」と考えている人もいます。
新卒一括採用主義が問題?
新卒一括採用主義の歴史は50年程度です。
1960年頃の大企業では、少数の正規社員と多くの臨時労働者で構成されていました。
終身雇用や働く人の多くが、正社員として、新卒で一括採用されるようになったのも最近のことであり50年しかない歴史が「日本固有の雇用体系」として言われているのです。
実は欧州には、新卒一括採用がありません。
日本以上に若者が仕事を得ることが困難であり、欧州の南部(スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャ)から北米、豪州に出稼ぎをする人がいるくらいです。
未経験で良い。会社が育てていくではなく、何ができるのか?という即戦力が求められます。長期インターンシップを通じた実務経験が必要で実力が認められてからの採用が一般的です。
終身雇用はすでに崩壊している
経済環境の変化と日本的雇用慣行の論文では以下のような事柄が書かれています。
1990年以降の大卒の若者層では終身雇用の比率は低下している
終身雇用 | 5年以内に留まる | |
1990年 | 63.3% | 88.8% |
2008年 | 40.3% | 74.3% |
2、日本の雇用システムでは、中高年の賃金を維持す得るために、若年層の雇用を抑制し、終身雇用の正社員はコア社員のみ。その他の調整可能な非正規雇用なパートタイマーで賄っている。
身近な事例で考えると日本の工場から海外の工場へ移転ですよね。
中高年層の賃金維持もリストラの対象となりえますし、左遷もあります。
今回のシャープのリストラ宣言がいい事例ですよね。
参考:シャープ、7000人削減も 戴次期社長「信賞必罰」の新制度導入
良くも悪くもグローバル化によって若者も中高年も打撃を受けているってことです。
この働き方に関してはこちらの本が詳しく書いていますので興味のある方は一読をどうぞ。
そもそもずっと働くの?
業界の変化は激しいのは、周知の通りだと思います。しかしこれらは会社や社会の都合です。人生の変化は想像したことがあるでしょうか?
ライフステージの変化で働き方を見直す人は多くいます。
- 子どもが生まれた
- 介護が必要となった
- 社会的意義を考え非営利団体で活動したいと思う
- パートナーの長期海外出張
もはや保育園に入れたくても入れられないことはニュースでも報道されているように社会問題ですよね。介護はもっと根深い問題ですよ。
また、大きな事件・事故で働き方を見直す人も出てきています。
このようにライフステージの変化という観点から考えると10年後も同じ会社で働き続けている可能性が以前よりもずっと低くなっています。
これからは「どこで働くのか」よりも「どう働くのか」が重要になってきているように思えます。
変化が激しい時代に安定はない
話がかなりズレてしまいましたが、新卒の就活で失敗したとしても終身雇用は崩壊しているし、長い人生を考えた時に同じところで働き続ける可能性は低いということです。
ましてや世の中の変化の早い時代ですから、大企業といっても存続している可能性もわかりません。10年前の人気の会社をみると2位のJALは破綻していますし、理系の人気ランキング16位のシャープも経営危機です。
参考:2005 年度大学生就職人気企業ランキング調査結果発表
だから、今、安定している会社・知名度のある会社・大企業に入れたとしても10年経てばわからないってことです。
既卒・フリーター市場も大きなマーケットになっている
就活はある意味、椅子取りゲームみたいなものです。
常に知名度のある・安定している会社の方が人気が高く応募も集中してしまっています。
この椅子取りゲームに参加できない知名度は低いけど、収益性の高い企業はいくらでもある。
実は、就職で失敗している学生もいる一方で採用で失敗している(なかなか上手くいかない)企業もあるってことです。
フリーター・既卒は人材紹介会社を使った就職が一番おすすめで紹介しているように既卒・フリーター向けの人材紹介のサービスも増えていますし、次世代の会社を担う若者を必要としている優良会社はまだまだあるってことなんですよね。
今、既卒やフリーたの方は「就活に失敗した…終わった…」と考えているかもしれませんが、就活に成功したと言われていた勝ち組の人たちが10年経って失敗でしたなんてザラですよ。
今の時代は、何が正解かなんてわからないので、ダメだったらスグに次に行くくらいの柔軟性が求められていますよ。
失敗したから得たものだってある
ぼくはフリーターになってから様々なことを勉強しました。
就活をしていた時代は就職氷河期だったので、本気で就活をしようと考えた時に1年で50冊の本を読む目標を立てて62冊読みましたよ。年間0冊だったので、すごい進歩だと思っています(照)
時間があるから、できることだってあります。
遅れた分は取り戻すことができたんじゃないかな?
冒頭でも伝えていますが、失敗したから自殺なんて発想はなくていいかと思いますよ。
よくネットで拡散されている両さんの考え方を見ておいてください。
マジでこれですよ。
新卒で就職したから成功。就活に失敗したから終了なんてことはありませんし、何をするのか?どう生きるのか?ってところですよね。
漫画に教わることは多いので読んでから再トライでも良いですよ。いったん休憩、それから再トライくらいでいきましょう。