フリーターの支払うべき税金で最も注意するものが住民税です。
収入の低いフリーターや、これまで学生だったからは支払いがなかったはずです。
しかし、一定金額を稼ぐようになると支払い義務が発生します。
今回は、フリーターの住民税についてまとめました。
住民税とは?
住民税とは、都道府県民税と市町村民税の総称のことを言います。
内訳は都道府県民税が4%で、市町村民税が6%。
つまり、都道府県民税(4%)+市町村民税(6%)=住民税(10%)
これが、住民税の正体です。
住民税は、前年の収入を元に計算されます。
前年にたくさん稼いだ人はその分多くの税額を徴収されますし、収入が少なかった人は住民税も少額になるという特徴があります。
非課税になる場合
住民税は下のような計算方法で算出されます。
給与-(給与所得控除65万円+課税基準総所得35万円)=課税所得
計算して課税所得が0円以下の場合は非課税となります。
ですので、65万円+35万円=100万円ですから、年収が100万円を超えなければ住民税は発生しません。
もし住民税を支払いたくないのであれば、年収を100万円以内に抑えるようにしましょう。
課税される場合
非課税のラインである年収100万円を超えた場合は、住民税を徴収されます。
例えば、昨年の年収が130万円で社会保険未加入のフリーターの場合だとすると、オーバーしている30万円が課税所得です。
その場合の住民税額は34,500円。
この金額を1年かけて分割か、もしくは一括で納めなければなりません。
計算は『所得税・住民税簡易計算機』というサイトに情報を入力したらできます。概算を出したい方は利用してみてください。
住民税は後からやってくる
長年同じ会社で働いているサラリーマンなら住民税を毎月の給与から天引きしてもらえるのですが、フリーターの場合は自分で納めなければなりません。
その際に気をつけなければならないのが、「住民税は忘れた頃にやってくる」ということ。
その年の分を納税する所得税とは違って、住民税の場合は支払う時期が翌年になります。
前年の1月1日~12月31日までの所得に対する住民税納付書が、翌年の6月頃になってやっと届くのです。
6月頃の1期から4期までの計4回を、2ヶ月に1度のペースで支払い。住民税だけなら問題ないのですが…
- 国民年金:15,000円
- 住民税:14,000円
とダブルで支払ったら月10万そこらの収入のフリーターにはキツいですよね。
それでなくとも国民年金や保険などの支払いで生活がカツカツなのに、住民税で追い打ちをかけられたら、まともな生活すら出来なくなってしまいます。
払えない場合はどうなるのか?
もし住民税を納期限内に支払えなかった場合はどうなるの?
ここまで読み進めたら浮かぶ疑問ですよね。滞納した場合は、延滞税というペナルティが発生します。
延滞が1ヶ月以内ならば利率は3%程度ですが、2ヶ月目以降からは年9%ほどに跳ね上がります。
50,000円の住民税を3年間延滞した場合
滞納日数は1096日。延滞金だけで13385円追加されます。
本来は50000円を納めればいいものが、3年滞納すると63385円に増えてしまいます。
最悪の場合は財産差し押さえ
住民税を滞納すると役所から督促状が届きます。
それでも無視して滞納し続けた場合には、家財などの財産を差し押さえられてしまう可能性があります。
実際に差し押さえ寸前までいった方の記事がありましたので一部引用しておきましょう。
「2週間ほど前、私はポストに入っていたある封筒で地獄に突き落とされた。それは見慣れない緑色の封筒で、電力会社やガス会社からよく来るものとは明らかに違う。差し出し人は、A市役所市民部納税課。封筒には、わざわざ赤い文字で『重要なお知らせです。必ず開封して中をご覧下さい』と書かれていた。
中略
イヤや予感は的中していた。書類の中央に “差押予告書” と目立つ色で書かれていたのだ。
実は、私は以前住んでいたA市で、住民税を払っていなかったのである。厳密に言うと、途中までは払っていたが、いくらか未払い分を残したまま、その市から引っ越したのだ。なぜ、このようなことになったのか? 全ては、私が税に対する知識を一切持たないまま社会人になってしまったことが原因だ」
ただでさえ収入が少ないフリーターにとって住民税の負担はかなり大きい問題ですよね。
実は、僕も若い頃に住民税を滞納したことがあります。
税金を滞納していると役所から督促状が何度も届くのですが、お金もないし怖かったので無視を決め込んでいました。
でもある日、意を決して役所(納税課)に電話してみると、意外とあっさり解決策を提示してもらえたんです。
役所が提示してくれた解決策は次のようなものでした。
- 毎月数千円を支払うこと
- 期日に遅れなければ今後の延滞金は免除すること
この対応のおかげで、筆者はほんの数ヶ月で住民税を払い終えることができました。
このように、きちんとこちらの状況を説明して支払う意思がある事を伝えれば、役所も親身に対応してくれる場合があります。
1番駄目なのは、延滞を放置してそのままにしていることです。
住民税は、どんなに逃げても最終的には支払わなければいけないものです。
納税が苦しい時には1人で悩んだりせず、役所にすぐ電話をして、分割金を下げるなどの対処をしてもらうようにしましょう。
まとめ
住民税を納めるのは国民の義務です。
「お金がない」「知らなかった」という言い訳は一切通用しません。
住民税を支払うにも生活が苦しい。シフトを多く入れて稼がなきゃ…と考えている方は来年も住民税が増えることも覚えておいてくださいね。
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正社員になれば、住民税は給料天引きしてもらえます。一つの解決策として正社員を目指すのもアリです。さらに何らかの事情でシフトを減らされたときは、本当にお金に困ることになります。(ぼくは働いている店舗改装のため10日間休みでした。)
お金に困り、国民健康保険・国民年金・住民税も支払えない…という状況は、本当にキツイです。一歩先を見据えて行動しておきましょう。